梅毒

  • 陰部や口の中にしこり
  • 全身に赤い発疹

梅毒とは

梅毒とは、梅毒トレポネーマという細菌が、粘膜や微小な傷口から体内に入り込むことにより発生する性感染症です。
おもに発展途上国で感染者が増えており、日本ではほぼなくなった病気でした。
しかし、渡航者の増加を背景に、東京を中心に2010年頃から劇的に新規感染者が増えています。
早期に検査・治療を始めれば完治しますが、放置したり治療が遅れると脳や神経に重大な後遺症が残ります。

どんな症状が出るのか

梅毒に感染すると、「3週間後」、「3ヵ月後」、「3年後」、「10年後」の4期に渡って、症状が出たり消えたりを繰り返しながら身体を蝕んでいきます。

第1期
感染後3週間:陰部や口の中にしこり、足の付け根のリンパ節が腫れる。痛みはなく自然に消える。
第2期
感染後3~数ヵ月:身体全体に赤い発疹(バラ疹)ができる。再発することもあるが自然に消える。
第3期
感染後数ヵ月~4年:症状が出ないまま潜伏期間が過ぎる。
第4期
感染後4年以降:皮膚や筋肉に腫瘍、血管や神経、脳が侵されて運動機能や記憶力が低下。死に至ることも。

梅毒に感染してしこりや発疹が出ても自然と消えるので、感染していても気づいていない人が多いのも梅毒の特徴。
自分が感染しているとは全く思わないまま、性的接触した相手を感染させることもあるでしょう。

第4期まで気づかずに放置してしまうと、死に至ることがあり、治療ができても障害が残ってしまうこともあります。
また、梅毒は視神経も犯すので、視力が急速に悪くなる場合があります。このときも、梅毒への感染を疑ってみてください。

感染ルートと潜伏期間

感染ルートは感染者との粘膜接触です。コンドームを使わないセックスはもちろん、フェラチオ、クンニ、素股、アナルセックスなど、あらゆる性的接触で感染します。

1回の性的接触で感染する確率は20~30%。さらにキス、箸やコップの使い回しでも感染するほど感染力が強いのも梅毒の怖いところです。

感染者の傾向

梅毒に感染する患者数の増加が止まりません。
11月13日に国立感染症研究所が発表した今年の患者数は、同じく過去最多となった昨年の5,770人を超え、5,811人となりました。まだ11月の時点なので、6,000人を超えることは確実でしょう。この数字は、集計を始めたここ20年で最悪です。
実際、クリニックで検査を受ける患者様の中にも梅毒が陽性の方が増えました。

出典:政府広報オンラインより
出典:政府広報オンラインより

性別、年代別の傾向では、女性は20代の患者が多く、男性は20~40代を中心に、幅広い年代が感染しています。
この傾向から見ると、女性は風俗で働いている人、男性は風俗のお客さんというパターンが考えられます。

また、都道府県別では東京が25%を占めており、突出しています。
東京には日本の人口の11%が集まっていますが、感染者が25%というのは比率として多すぎです。
風俗の利用者や、出会い系などで不特定多数の女性と接触した方は、一度検査を受けておくと安心でしょう。

梅毒は、日本ではほぼ無くなった病気でしたが、2010年ごろから感染者が報告され出しました。
海外からの観光客が日本の風俗を利用するケースが増えているので、おそらくそこで持ち込まれたのだと思います。
HIVも同じですが、一度持ち込まれた性病は、あっという間に広がります。
実際に患者数は年々増えており、今後も増え続けるでしょう。

放置するとどうなる

男女ともに、梅毒を治療せずに放置すると、多くの内臓に腫瘍が発生したり、脳や神経を侵されて死亡します。
女性の場合はとくに注意が必要で、梅毒に感染したまま妊娠したり、妊婦が梅毒に感染すると、50%前後の赤ちゃんが流産、死産となります。
また、無事に出産できたとしても皮膚や骨、肺炎や肝炎、角膜炎や難聴などの障害を抱えることになります。
そんな悲劇を産まないためにも、パートナーが妊娠する可能性がある方は、必ず一度検査を受けてください。

検査と治療について

いつから検査できる?

感染した可能性が考えられる行為をしてから1ヵ月以上経っていれば、正確な検査結果が出ます。

受付

予約はいりませんので、直接クリニックへお越しください。
簡単な問診票を記入(匿名)いただいた後、受付の男性スタッフが検査の説明、ご案内をします。

問診

基本的には医師による問診のみでどの検査が必要かは判断できます。
患部を見せていただく必要はありません。

検査

梅毒の検査は血液検査です。
健康診断の採血と違い、採取する量は微小なので身体への負担もありません。

結果報告

梅毒の検査結果は、15~20分後にわかります。
陽性の場合は精密検査を受けていただき、感染が確認されたら抗生物質を処方します。

検査と治療の料金(自由診療)

  • 診察料…0円
  • 梅毒の検査料金…8,000円(税別)
  • 治療費…10,000円または15,000円(税別)

梅毒の治療に使う抗生剤は3種類ほどあり、菌の減少が見られない場合は抗生剤を切り替えます。

放置している期間が長いと、投薬期間が長引いたり後遺症が残る場合もありますので、検査は早めに受けてください。

梅毒の予防方法

まずは、自分が感染しているかどうか検査で確認しましょう。痛みは出ませんし、発疹が出ても自然に消えるので、すでに感染していても気づけません。
梅毒の予防は、セックスのときはもちろん、フェラチオや素股のときもコンドームを使うこと。しかし、キスでも感染するので、完全な予防は現実的には困難です。

この記事の監修者:野口 真康
たいようクリニック八重洲院院長