HIV・エイズ

HIVとエイズとは

まずは少しややこしい「HIV」と「エイズ」の違いを簡単に説明します。

HIVというのは、ヒト免疫不全ウイルス(英語:Human Immunodeficiency Virus)というウイルスの名前です。インフルエンザウイルスと同じような分類ですね。

そしてエイズは、後天性免疫不全症候群(英語:Acquired immune deficiency syndrome, AIDS)という病気の状態。インフルエンザウイルスに感染したら「熱が出た」、HIVウイルスに感染したら「全身に腫瘍ができた」このカッコの部分のような状態を指します。

HIVとはウイルスの名前で、エイズというのは病気の状態のこと。これがHIVとエイズの違いです。

エイズとはどういう病気か

HIVは免疫細胞を攻撃するウイルスです。
免疫細胞は、われわれの身体の中を24時間パトロールしており、外から入ってきた菌やウイルス、身体の中で作られるがん細胞などの病気のモトを撃退してくれています。

HIVに感染したまま放っておくと、免疫細胞が徐々にHIVによって破壊されていくので、身体を守るバリアがなくなっていきます。

免疫細胞がある一定まで減ると、健康な人なら感染しない菌やウイルスに感染して、さまざまな種類の肺炎などを発症します。また、体内でがん細胞が増殖するのを止められなくなるので、身体中に悪性リンパ腫や皮膚がんが発生します。
これがエイズになった状態です。
免疫細胞がいないと病気を治す力もなくなるので、エイズの状態になってからは1年から3年しか生きられません。

もちろん、いまは早めに治療を開始すれば感染していない人とそれほど変わらない暮らしができます。

HIVの感染ルートと潜伏期間

HIVの感染源は、膣分泌液、血液、精液、母乳です。
男性目線から見ると、これらの液体が口や尿道口の粘膜に触れるとHIVに感染する可能性があるということ。
アナルセックスをする方は、腸の粘膜からも感染するので注意してください。
また、尿道口だけではなく傷口からも感染します。

まとめると、HIVに感染している人の膣分泌液、血液、精液、母乳が、粘膜や傷口に触れると感染するということです。
具体的な行為としては、コンドームを使わないセックス、アナルセックス、オーラルセックス(フェラチオ、クンニリングス)、素股で感染します。

HIVに感染すると、まず感染後2週間から1ヵ月ほどの間にHIVウイルスが体内で急激に増殖をし始め、免疫細胞が破壊されていきます。この時期に発熱や喉の痛み、だるさなどの症状が出ることがありますが、数日すると治ります。

そのあとは何の症状も出ない潜伏期間が続きますが、エイズを発症するまでの期間は個人差が大きく、10年経っても症状が出ない人もいれば、数ヵ月でエイズの状態になる人もいます。

HIVの感染確率は?

HIVウイルスはほかの性病に比べると感染力が強くないので、1回のセックスやアナルセックスで感染する可能性は1%(100回に1回)程度、オーラルセックスでは0.1%(1,000回に1回)ほどです。
しかし、1回だけのコンドームを使わないセックスで感染した人もいます。100回に1回がいつ来るかはわかりません。


また、クラミジアや淋病、梅毒、尖圭コンジローマに感染していると、HIVに感染する確率が10倍以上に上がるとされており、実際の検査結果でもクラミジアや梅毒とHIVが同時に陽性となるケースは多いです。

HIVはどんな人が感染しやすい?

感染者が多いのは、当然ですが不特定多数の人と性的な交渉をする風俗の女性です。
コンドームを使わないでセックスをするソープランドの女性、アナルセックスをオプションにしているデリバリーヘルスの女性と性交渉した男性がHIVに感染していたというケースが、当クリニックにもあります。
また、出会い系で女性と遊んでいる方もHIVに感染していましたので、注意してください。

日本でのHIV感染者は、数年前まではアナルセックスをするゲイの男性が大部分でした。
しかし近年は風俗で働く女性、一般の女性にも広がっています。

HIV・エイズの治療法は?

現在、HIVを身体から完全に消し去る治療法はまだありません。
しかし、抗HIV薬を3~4種類組み合わせて内服する方法で、HIVの活動を抑えることができます。

抗HIV薬による治療は早く始めたほうが成功しやすいので、感染の心当たりがある人もない人も一度検査を受けることをおすすめします。

まずは検査から

受付

クリニックにお越しいただきましたら、まず簡単な問診票の記入をお願いします。
匿名での記入でOKです。

問診

基本的には問診のみでどの検査が必要かは判断できます。
患部を見せていただく必要はありません。

検査

採血による検査を行います。検査機器や周辺器具は毎回新しいものを使っています。

結果報告

即日検査については、医師と一緒に検査結果を確認します。
感染していた場合には、HIV拠点病院をご紹介します。

検査と治療の料金

HIV・エイズの検査料金(自由診療)

たいようクリニックでは、問診料や初診・再診料は頂いておりません。
患者様のご負担は、検査料金のみです。

第3世代抗体検査

思い当たる行為から8週間たっている場合
●検査結果…15分
●料金…8,000円(税別)
●診察料…0円

第4世代抗体検査

思い当たる行為から4週間たっている場合
●検査結果…約20分後
●料金…10,000円(税別)
●診察料…0円

NAT検査

思い当たる行為から14日たっている場合
●検査結果…約1週間(最短で3日、平均4-5日)
●料金…16,000円(税別)
●診察料…0円

どの検査が適切かは医師が説明、ご案内します。

HIVの予防方法

HIV・エイズの豆知識

まだまだ未知の性感染症

全世界で7000万人が感染し、そのうち3500万人が命を失うHIV・エイズ。日本では2万7443件(2016年末時点、HIV感染者とエイズ患者の累積報告数)が報告されており、2016年の新規感染報告数は1448件。ピークだった2013年の1590件から高止まりが続いています。

HIV・エイズの起源は現在でもまだはっきりわかっていません。チンパンジーに寄生していた免疫不全ウイルスが突然変異で人にも感染するようになったとの説が有力です。

人間が初めてHIVに感染したのは1908年ごろ、カメルーン南西部だと考えられています。そこから、1920年ごろにコンゴ首都のキンサシャで拡大に至ったようです。

人類がHIVというウィルスの存在に気付いたのが1983年。ただその時にはすでに全世界にウイルスが拡散した後でした。

日本でも80年代には「エイズパニック」といわれる事件が数多く起こっています。公衆浴場が外国人の利用を拒否したり、日本人女性の遺影を週刊誌が盗撮して、『これがエイズ患者だ!』と掲載。「この女性と関係があった人は検査に行こう」などと呼びかけました。こうした事件はHIV・エイズへの知識不足から、過剰反応をしてしまった結果だといえます。

今では、医療技術の発展により早期発見・治療ができればうまく付き合っていける病気になっています。
とくに心当たりがなくても、一度検査を受けてみてはいかがでしょうか?