性病って、自然治癒するの?

経歴

1983年 東北大学医学部医学科卒業

1989年 協栄生命保険株式会社 医員

2000年 明治生命保険相互会社 医長

2017年 たいようクリニック院長

東京駅、八重洲南口の性病専門病院「たいようクリニック」で院長をしている野口と申します。

当院の患者さんによく聞かれるのが「性病って自然治癒するんですか?」という質問です。

ひとことでいうと、性病は自然治癒しません

たまに「クラミジアや淋病が自然治癒した」ということをいう人がいますが、それは他の病気で処方された抗生物質がたまたま性病に効いたということです。

「でも、人間の身体には免疫力があるから…」とも思うかもしれません。
もちろん免疫力が高い人なら感染する確率を減らすことはできますが、感染してしまってからは免疫力は役に立ちません。

例えば、人間の身体では、健康な人でも毎日数千個のがん細胞が生まれています。しかし、がんをすぐに発症しないのは免疫細胞ががん細胞を撃退し続けているから。
でも、がんが腫瘍になってしまってからは、免疫で自然治癒することがないのと同じことです。

この病気と免疫という点についてはニボルマブ(オプジーボ)というおもしろい薬が開発されていて、開発者がノーベル生理学・医学賞を受賞しましたね。
ニボルマブは、これまでがんに対して無力だった免疫細胞の目を覚まさせて、発症してしまったがんを免疫で撃退するという画期的な薬です。

話がずれましたが、クラミジア、淋病、梅毒、コンジローマ、HIVといった性病は、自然治癒することはありません。

なぜ、性病は風邪のように自然治癒しないのかという疑問については医学の世界でも結論が出ていません。
おそらく、免疫で撃退できる性病はとうの昔になくなっていて、強いウイルスや菌だけがいまだに残っているというのが現状でしょう。

とにかく、性病については病院に行って薬を処方されないと治りません。

「おしっこをすると尿道が痛いけど、なんとか耐えていればそのうち治るだろう」…おそらく淋病です。がまんしていても治らないので、はやめに病院へ。

「なんか透明な液がパンツについてたけど、痛くも痒くもないから放っておこう」…おそらくクラミジアです。奥さんやパートナーにうつしたらえらいことになりますよ。

「風邪じゃないんだけど、喉が痛い。バファリンでも飲んでおくか」…咽頭淋病、咽頭クラミジアかもしれません。痛みが続く場合は病院へ。

まあ、性器やのどに何か怪しいことがあったら、放置していても治りませんので病院で検査を受けましょう。

検査で陰性なら安心できますし、陽性だとしても薬が処方されるので治療できます。