これって性病?感染るの?治るの?どうすりゃいいの?

経歴

1983年 東北大学医学部医学科卒業

1989年 協栄生命保険株式会社 医員

2000年 明治生命保険相互会社 医長

2017年 たいようクリニック院長

東京駅の近くの性病専門病院「たいようクリニック」で院長をしている野口と申します。

わたしが勤めているクリニックに来る患者さんの多くは、風俗に行ってから、または女の子と遊んでしばらく経って「おしっこをする時に尿道が痛い」「性器がかゆい」「なんか液体がパンツに付いていた」「のどが痛い、熱が出ている」という症状が出て、「これって性病では…?」と恐れて来院されます。
あなたにも心当たりはあるでしょうか。

一般的に、性病(正しくは性感染症)というと、ヤバい病気、怖い病気、恥ずかしい病気…というイメージがあるようですが、医者の立場から言うと性病も風邪も変わりません。どちらも同じ感染症で、命を取られるようなものではないので、ヤバくも怖くもないです。
恥ずかしいという点では、水虫(医学的には白癬と言います)なんかと近いかもしれませんね。ちなみに、水虫も感染症です。

性病が風邪などの感染症と違うのは1つ。「自然治癒はしない」ということだけ。
風俗に行ったり、特定のパートナー以外の人と性行為をしたら、病院に行って検査・治療すればいいんです。

ともかく、ちょっとした知識をつけてしまえば、性病を必要以上に怖がる必要はありません。
これからの人生にも役立つ知識として、性病について基本的な説明をしていきましょう。

第1部は身近な性病と言える淋病、クラミジアの基礎知識を紹介します

1. 尿道の痛みの原因は淋病

わたしは毎日20~30名の男性の患者さんの性病検査、性病治療をしていますが、ここ数年増えてきているのが「淋病」です。
淋病は、おしっこをする時に尿道がけっこう痛む。あと、尿道から膿も出ます。痛みと膿で「こりゃ大変だ」ってことで病院にいらっしゃる。
痛みで驚くと思いますが、尿検査で結果を見て抗生物質の点滴を一回やれば治ります。

淋病の感染ルートと潜伏期間

淋病の感染ルートは、コンドームを使わない性交とオーラルセックスが主な感染源です。
淋病に感染している女性とコンドームなしで性交した場合、感染率は約30%、オーラルセックスされた場合は約20%と、淋病は感染力の高さも特徴。確率はそれほど高くありませんが、ディープキスやタオルを経由して感染するケースも。

尿道が痛くなる男性と違い、女性は淋病に感染していても自覚症状がないので気づいていないケースが多いです。
正確なデータは発表されていませんが、風俗店やデリヘルに勤務している女性の約30%、特定のパートナー以外と性交渉している一般女性の10~15%が淋病に感染していると言われています。
風俗店やデリヘルで遊ぶ場合は、「淋病をもらってもしょうがない」という覚悟で行ったほうがいいでしょう。

淋病の潜伏期間は短く、感染して2日~8日ほどで尿道に激しい痛みが出ます。

淋病の治療はなるべく早く

淋病は痛みがあるので放置する人は少ないでしょうが、自然治癒はしないので、できるだけ早く病院に行ってください。尿道の痛みなどが出て3日以内なら点滴1回で治りますからね。
まれに淋病が自然に治ったという人がいますが、風邪やその他の病気でもらった抗生物質が偶然淋菌を殺したということ。10年前はたまに聞く話でしたが、いまの淋菌はさまざまな抗生物質に耐性を持っているのでなかなかありえません。
治療が遅れると淋菌は血液の流れに乗って全身に広がります。
淋菌が全身に広がると、発熱や関節痛、皮膚のただれなどで苦しむことになり、治療も1週間以上かかってしまいます。

不治の病?スーパー淋病の恐怖

当院の患者様にはまだいませんが、「スーパー淋病」というさまざまな抗生物質に耐性を持っている淋菌も発見されており、日本でも京都ですでに発見されています。

淋病の治療に使う抗生物質はペニシリンが使われてきて、15年くらい前まではこれで効き目がありました。
しかしペニシリンが効かない耐性菌が出てきて、その後ジスロマックというクラミジアにも使う抗生物質で治療していましたが、ジスロマックにも耐性を持つ淋菌が発生しました。
この後もセフィキシムなど何種類かの抗生物質にも耐性菌が出てきて、いまはセフトリアキソンという抗生物質での治療で落ち着いています。

しかし、今年見つかったスーパー淋病は、セフトリアキソンにも耐性を持っている。この事実は世界中で騒ぎになっており、いまは調査が進められている段階です。蔓延するとかなりマズいことにもなりかねません。
当院でも常に新しい情報をキャッチし、対策を進めなければと考えています。

2. 日本で1番多い性病「クラミジア」

当院の患者さんで淋病と同じくらい多いのが、クラミジアへの感染です。淋病で来院された患者さんを検査すると、7割の方はクラミジアにも感染しています。
クラミジアの症状は軽く、尿道がむず痒くなる程度か無症状なので感染に気づいていないケースがほとんどです。だから気づかないままに感染が広がっていきます。しかし、症状がないからといって放っておいてもいいかというと、そんなことはありません。

クラミジアの放置は厳禁!

クラミジアを治療しないで放置するリスクは、次の2つがあります。

・HIV(エイズ)に感染する確率が3~4倍になる

HIVは性感染症の中でも1番怖い病気でしょう。いまは適切な治療を受ければ寿命は非感染者と同じになりましたが、治療薬の費用は安くありませんし、生活への影響も多々あります。
HIVは1回のセックスで感染する確率は1%程度で、感染力は弱いのですが、クラミジアに感染しているとそれが3~4%まで上がります。リスクは格段に上がると言ってもいいでしょう。

・男女とも不妊症の原因になる

クラミジアは男女ともに不妊症の原因になります。なかなか子供ができないからと不妊治療を始めてみたら、最初の血液検査で2人ともクラミジアに感染していることが発覚。そこから修羅場になったという話は患者さんや周りの医師からよく聞きます。
子作り中のカップルは、パートナー以外の人と性交渉したら必ず検査を受けてください。
また、妊娠中のパートナーにクラミジアを感染させてしまうと、流産や早産の原因になるのでとても危険です。

クラミジアの感染ルートと潜伏期間

クラミジアの菌は、精液、膣分泌液、血液、尿、唾液に含まれているので、コンドームを使わないセックスとオーラルセックス(フェラチオ、クンニリングス)、キスやタオル、便座からも感染します。性器のほかにのどにも感染するので、コンドームを使っていても感染が防ぎづらいのも特徴だと言えますね。感染者と上記のような関係も持った場合、感染率は50%前後です。
クラミジアの感染者は淋病の5倍から10倍いるとされているので、特定のパートナー以外と関係を持ったりキス、オーラルセックスをした場合は、感染の可能性はかなり高いと思って間違いありません。

クラミジアは男性、女性どちらも自覚症状がない場合が多いので、気づかないうちに感染が広がっています。とくに性交経験のある20代は3人に1人が感染しているというデータもあるので、その感染率の高さがうかがいしれます。

クラミジアの潜伏期間は1週間から1ヵ月。検査は尿検査とうがいの検査になります。

クラミジアの治療は簡単

クラミジアの治療は簡単で、アジスロマイシンという抗生剤を1回飲めば、個人差はありますが1週間程度で治ります。

クラミジアを放置するのは危険なので、症状がなくても定期的に検査を受けてほしいと思います。

3. マイコプラズマ/ウレアプラズマ

マイコプラズマとウレアプラズマは、ここ5年くらいに検査ができるようになった性病です。症状や感染ルートはクラミジアとほぼ同じで、性器とのどに感染します。
マイコプラズマとウレアプラズマは、もともとは妊娠した女性の早産や流産の原因として問題になった性病で、男女ともに自覚症状がほぼないので検査してみないと感染しているかどうかわかりません。当院では淋病、クラミジアとセットで検査を受ける患者さんが多いですね。
また、女性への感染は慢性化する膀胱炎の原因にもなります。パートナーがいるなら1度受けてほしい検査です。

潜伏期間と治療方法

マイコプラズマもウレアプラズマも潜伏期間は1週間から1ヵ月です。症状が出ないので、淋病やクラミジアの検査を受けるときについでに受けておきましょう。検査方法は尿検査。治療はドキシサイクリンなどの抗生剤を飲めば完治します。

ここまでが、尿道を炎症させる系統の性病です。淋病は尿道にはっきりした痛みが出ますが、クラミジアとマイコプラズマ、ウレアプラズマは感染しても症状が出ない場合があります。検査はすべて尿検査で行えるので、クリニックで検査を受ける際は、セットで受けておくのがいいでしょう。

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第2部は、放置したら死を招く、怖い性病を紹介します。

4. 急速に拡大する「梅毒」

もともと梅毒は治療方法がない「死病」で、戦国時代には加藤清正や前田利長などの名将が梅毒で死亡したと言われています。江戸時代には大流行があり50%が感染者だったとも。治療法がないのでみな苦しみながら死んでいったことでしょう。ペニシリンによる治療が始まったのが1940年代からなので、昭和初期までは梅毒で死亡する人が少なくありませんでした。

ペニシリンによる治療が確立してから梅毒患者は激減し、わたしが医師になった頃はほとんど忘れられた病気になっていました。梅毒と言えば「昔そんな病気があったらしいな」という程度。それがここ数年、感染者が爆発的に増えていて、正直驚いています。

梅毒の菌は日本ではほぼ絶滅していたのにまた流行りだしたということは、海外から持ち込まれているということでしょう。特に中国には50万人以上の梅毒患者がいます。中国人観光客による爆買い風俗ツアーも流行っているようなので、そのあたりから広がっている可能性が高いですね。データがないので想像ですが。

当院の患者さんにも、梅毒に感染している方が週に何人かいらっしゃいます。東京の風俗店やデリヘルにも確実に広がっているということです。

梅毒は一度無くなりかけた「忘れられた病気」なので、一般的な泌尿器科などでは検査でうまく発見できなかったり、治療法がわからなかったりすることもあるようです。いきなり昔の病気が流行るなんて考えてもみませんからしょうがないとは思います。
当院は性病専門なので検査や治療ミスはありませんが、わたしが生きている間に梅毒の患者さんを診察することになるとは思いませんでした。

梅毒ってどんな病気?

梅毒は、性行為やオーラルセックスにより、性器や口の中の目に見えない小さな傷口から梅毒トレポネーマという細菌が入り込むことで感染します。感染ルートはこれまでに紹介した淋病やクラミジアと変わりません。
潜伏期間は約1ヵ月。感染した後は、症状が出たり潜伏したりしながら、10数年で死亡に至ります。

梅毒の症状の進行度合いは、主に4つの段階に分けられます。

第1期 感染して1ヵ月~3ヵ月
性器や口の中にしこりができて、すぐに消えます。また、股の付け根のリンパ節が腫れます。
第2期 感染して3ヵ月~3年
赤い湿疹が全身に広がります。湿疹は1ヵ月前後で消えます。
第3期 感染して3年~10年
皮膚や筋肉、骨にボコボコした腫瘍ができます。顔も腫瘍で変形し、組織が破壊されることで鼻が陥没したり眼が見えなくなることもあります。
第4期 感染して10年以上
身体中に腫瘍ができ、脳や神経も侵されて死亡します。

梅毒は、第2期までに治療を始めれば完治することができます。しかし、第2期をやりすごして第3期に入ってしまうと治療が難しくなるので、股の付け根が腫れたり熱を持ったりしていたら、早めに検査を受けてください。検査は、感染から1ヵ月以上経っていれば正確な結果が出ます。

梅毒の検査と治療方法

梅毒の検査は、血液で行います。採取する血液の量は少しなのでご安心ください。健康診断のように大量に血を抜くわけではないので一瞬で終わります。
検査結果はその日のうちにすぐ確認できます。
検査結果が陽性だった場合は、抗生物質を飲むだけで治療できます。

5. 毎年感染者を増やしているHIV(エイズ)

HIV(エイズ)は、現在もっとも怖い性感染症です。
あなたも「エイズだけには感染したくない」と思っているでしょう。
薬剤の進歩により、非感染者と寿命が同じになったという報告がありましたが、薬の副作用や心的ストレスなど、感染したらこれまでと同じ生活はできません。

そもそも、HIVとは何か

HIVとはヒト免疫不全ウイルスの略です。Human Immunodeficiency Virus。
HIVウイルスに感染すると、治療をしなかった場合3年~10年でエイズを発症します。
エイズを発症すると免疫力が極端に低くなり、極度の疲労、強力な倦怠感、急激な体重減や慢性的な下痢や皮膚疾患、視力の衰えなどに襲われ、普通の人なら発症しないさまざまな病気に感染して1~2年で死に至ります。

HIVの起源はまだはっきりとわかっていませんが、現在有力視されているのは以下の通りです。
1. チンパンジーがSIV(サル免疫不全ウイルス)に感染した小型のサルを食べる。
チンパンジーは雑食で、サルの肉は好物だそうです。
2. SIVに感染したチンパンジーを人間が食べる。
アフリカの一部ではチンパンジーを狩りで捕えて食べることがあります。
3. SIVがHIVに変異した
 サル免疫不全ウイルスがヒト免疫不全ウイルスに突然変異して、ヒトからヒトへ広がっていきました。

簡単に言うと、エイズに感染したチンパンジーを食べたらエイズに感染したということ。アフリカではサルを食べることは珍しくありません。

HIVは早めの検査が大切

HIVに感染していることに気づかずにいて、ある日突然エイズを発症するというのが最悪です。
医学は日々進化しているのでエイズを発症した後でも治療はできますが、その後の生存率に大きく差が現れます。エイズ発症前にHIVに感染していることがわかれば、治療を続けることで一生エイズを発症せずに生きることができます。

よく言われていることなので「聞き飽きた」と思うかもしれませんが、HIV検査を早めに受けることが大切です。

HIVの感染経路

エイズを発症させるHIVは精液、膣分泌液、血液に含まれています。一般的なセックス、オーラルセックス、アナルセックス、いわゆる素股でも感染します。

感染者の約7割は男性同士のアナルセックス、その他3割が男女間での感染です。
ゲイの男性の感染率が高いのは、妊娠の心配がないのでコンドームを使わないことが多いことと、肛門は膣よりも傷つきやすいので、ウイルスが入り込みやすいからです。

性感染症ではない感染経路は、注射器の回しうちやタトゥーを掘るときの針からの感染、母親から赤ちゃんへの母子感染があります。
しかし現在、感染者の大多数は上述の男性同士のアナルセックス、男女間のセックス、オーラスセックス、アナルセックス、素股などの性行為からの感染です。オーラルセックス(フェラチオ)や素股でコンドームを使うことは少ないでしょうから、本番行為をしないからといって安全ではありません。

また、淋病やクラミジアなどの性病に感染していると、HIVに感染する確率も3~4倍に上がります。淋病やクラミジアに感染したままコンドームを使わずにアナルセックスしたり、ソープランドでコンドームを着けずに本番行為をするのは自殺行為です。

HIVに感染すると、2週間~4週間ほど後に、だるさや発熱、のどや関節の痛みという風邪に似た症状が出て、しばらくすると収まります。
その後は、自覚症状が何もない期間が続きます。自覚症状がないので、検査をしない限りHIVに感染しているかどうかはわかりません。

「いきなりエイズ」の恐怖

HIVに感染してからエイズを発症するまでの潜伏期間については5年~15年というデータがあり、医学の世界でも基準としていましたが、最近は2年も経たずにエイズを発症するケースが増えています。
検査を受けずにいると「いきなりエイズ」という自体にもなりかねませんし、「HIVの検査を受けたらすでにエイズを発症していた」ということも増えています。

特に中高年の方はHIVの検査に抵抗がある方が多いので、手術前の検査でエイズが判明した、体調が悪くてHIVの検査を受けたらすでにエイズを発症していた、という事態に陥りがちです。陰性にしろ陽性にしろ、検査を早く受けておくのが一番です。

HIVの検査と治療方法

検査は採血による血液検査です。
当院では性行為を行ってから4週間以上経っていれば、20~30分で結果が出ます。
保健所では無料で検査を受け付けていますが、実施は月に2回程度で平日のみ、受付時間が短い上に予約が必要で結果が出るのに2週間かかるなどハードルが高いのが難点ですね。
時間がある程度自由な方は保健所で、忙しい方や2週間もドキドキしたくない方は当院で検査をするのがいいでしょう。

治療は、HIV拠点病院という専門の病院で行うことになります。当院では、検査結果が陽性だった場合、無料で紹介状を作成しています。

6. B型肝炎も怖い

性行為で感染する病気にはB型肝炎もあります。B型肝炎ウイルスに感染すると、長い時間をかけて体内でウイルスを増やし、肝硬変、肝がんを引き起こす原因となります。B型肝炎は、HIVと同じくらい怖い性感染症と言えます。

日本でB型肝炎に感染している人は100人に1人と言われていますが、検査を受けていない人が大半なので、正確なデータとは言えません。しかし、セックスパートナーが多い人ほど感染率が高いことは間違いのないデータがあります。

B型肝炎の感染ルート

B型肝炎のウイルスは血液と精液、膣分泌液に含まれるので、感染ルートはHIVと同じでセックス、オーラルセックス、アナルセックス、いわゆる素股です。HIVと異なるのは、ディープキスでも感染すること。B型肝炎は、HIVよりも感染力が強いのです。
性行為以外にも、注射器の回しうちやタトゥーを掘る際に感染することがあります。

B型肝炎の潜伏期間

B型肝炎に感染してから1ヵ月~半年の間に、全身がダルくなったり、吐き気が続いたり、尿の色が茶色くなったりします。特徴的なのは白目の部分が黄色くなって、皮膚も黄色くなる黄疸という症状が出ることです。
また、感染者の一部に短期間に激しい炎症が起こり肝不全となるケースがあり、肝臓移植をしない限り死亡します。この劇症肝炎もB型肝炎の怖いところです。

B型肝炎の検査と治療方法

検査は採血で行い、15分ほどで結果が出ます。HIVや梅毒も血液検査なので、当院では併せて検査を受ける方が多いですね。

治療については専門の病院で行う必要があるので、陽性だった場合は紹介状を出しています。
治療は、肝硬変や肝がんに進まないように抗ウイルス治療や免疫療法、食事療法などを行っていきます。

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第3部は、おもに性器やその周りの皮膚に症状が出る性病を紹介します。

7. そのイボイボはコンジローマ?

性器や肛門の周りに硬くて小さいイボがあったら、それは「尖圭(せんけい)コンジローマ」という性感染症の可能性が高いです。
尖圭コンジローマは、大きさが2~3mmでイボの先が尖っているのも特徴。先が尖っているから「尖」という字が付いています。痛くもかゆくもないので、放って置く人も少なくありません。

尖圭コンジローマに感染しているとHIVに感染する可能性が10倍になるという報告があるので確実に治療しましょう。

尖圭コンジローマの原因は、子宮頸がんの原因と同じヒトパピローマウイルス(HPV)です。HPVには悪性のものと良性のものがありますが、尖圭コンジローマの原因の多くは良性のHPVですね。

しかし、まれに悪性のHPVが原因になっていることがあり、その場合は陰茎がんになります。そのHPVを感染させた女性は子宮頸がんになってしまうので要注意ですよ。

余談ですが、男性も子宮頸がんワクチンを注射すれば陰茎がんの原因になる悪性のHPVに感染するリスクを減らすことができます。

尖圭コンジローマに似たものとして、フォアダイスという1mm未満のツブツブが性器にできることがあります。こちらの場合は治療の必要がないので安心してください。
尖圭コンジローマとフォアダイスは見分けが付きにくいので、一度病院で見てもらうのがいいでしょう。

尖圭コンジローマの感染経路

尖圭コンジローマは、セックス、オーラルセックス、アナルセックス、素股で感染します。感染力は非常に高く、相手が感染している場合は70%前後の確率で感染します。

尖圭コンジローマの潜伏期間

尖圭コンジローマの感染が目で見てわかるようになるまでの期間は個人差が大きく、1ヵ月~1年と幅があります。これほど幅があると、なかなか感染元の相手を特定するのは難しいでしょう。

尖圭コンジローマの検査と治療方法

尖圭コンジローマの検査は、専門の医師がイボの形を見ればわかるので簡単です。

治療は、液体窒素でイボを取る場合と、ベセルナクリームという軟膏で治療する場合の二通り。イボの大きさや状態を見て判断します。

尖圭コンジローマは非常に再発しやすいので、ウイルスに免疫を作るベセルナクリームでの治療が理想です。しかし、放置する期間が長くイボが大きくなってしまうと液体窒素でイボを取るしかありません。

8. その白いカス「カンジダ」かも

亀頭や包皮に白いカスがある場合やかゆみあがったら、性器カンジダ症の可能性があります。
性器カンジダ症は、人の皮膚などにもともといる常在菌(カビの仲間)が性器周辺で増殖することで発症します。常在菌が原因なので、正確には性感染症とはいえません。まあ、水虫と同じような皮膚病です。

性行為で感染するのは5~10%で、その他の原因は疲れや抗生剤の服用で免疫力が落ちている、包茎のために菌が増殖しやすい状態になっていることなどです。
女性も同じなので、「カンジダ=性病」と決めつけてパートナーを責めたりしないでくださいね。

性器カンジダの潜伏期間

性器カンジダは原因を特定するのが難しいので、正確な潜伏期間というのも不明です。

性器カンジダの検査と治療方法

性器カンジダの検査は尿検査なので簡単です。治療は抗生物質が入った軟膏を塗っていれば治ります。

9. 一生治らない性器ヘルペス

ヘルペスは厄介な感染症です。なぜならヘルペスは、一生完治しない病気だからです。

性器ヘルペスに感染すると、亀頭やカリの部分などに水ぶくれやただれができて、かゆみや痛みなどの違和感が起こります。場合によっては発熱やダルさなど、全身の症状を伴うこともあります。
これらの症状は治療しなくても数週間で治りますが、ウイルスは体の中に存在し続けるので、疲れたときやストレスを受けたときなどにまた起こります。何度でも再発するヘルペスは、それ自体もストレスの種になるのです。

また、男性は症状が比較的軽いのですが、女性は陰部の強い痛みや頭痛など重い症状が出るので、パートナーに感染させたら一生恨まれるかもしれませんよ。

性器ヘルペスの感染経路

ヘルペスウイルスは口の周りと性器に潜んでいて、セックス、オーラルセックス、キスでも感染します。感染に気づいていない人や、治っているのでもう大丈夫だと思っている人が多いので、感染する危険性はかなり高いです。

性器ヘルペスの検査と治療方法

ヘルペスの症状が出ている場合は、幹部を綿棒で擦って検査します。結果が出るのは15分後です。いまは症状が出ていないけど心配だという場合は血液検査で抗体を調べます。こちらの結果は一週間後に出ます。
治療は抗生剤の服用で行います。完治はできないので、治療は主に再発防止のためとなります。

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10. まとめ

男性のための性病基礎講座、いかがだったでしょうか。
まず、HIV(エイズ)とB型肝炎、性器ヘルペス以外は、よほど悪化しない限り抗生剤で簡単に治療できるということがわかっていただけましたか?
また、HIVやB型肝炎も早めに検査で陽性がわかった場合は非感染者とさほど変わらない生活ができる場合が多いですし、性器ヘルペスも薬で再発を抑えることができます。

性病は、思ったよりも怖くない。ただし、定期的に検査をしていれば、です。

自覚症状がなかったとしても、一度検査を受けてみることをオススメします。
陰性なら心晴れやかに安心できますし、何かしらの性病に陽性だとしても治療方法がないものはありません。

最後に、パートナーと子作りをする予定の方、また子作り中の方はすぐに検査を受けてください。性病は不妊や流産、早産、母子感染のリスクを高めます。よろしくお願いいたします。

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